今年のインフルエンザ、もう流行?

ワクチンは間に合う?――「1回?2回?本当に必要?」

厚生労働省の感染症発生動向調査では、2026年9月の時点ですでにインフルエンザの患者さんが増えており、例年より早い時期から流行の兆しがみられています。

「もう流行しているなら、ワクチンを打っても遅い?」

インフルエンザワクチンは、接種したからといって感染を完全に防ぐものではありません。しかしインフルエンザの発病を抑えたり、発病した場合の重症化を防いだりする効果が期待されています。厚生労働省も、インフルエンザワクチンについて「発病を予防すること」だけでなく、「発病後の重症化や死亡を予防すること」に一定の効果があるとしています。

ですから、「ワクチンを打ってもインフルエンザにかかる人がいるから、意味がない」という考え方は少し違います。特に、高齢の方や基礎疾患のある方では、インフルエンザが肺炎などの重い病気につながることがあります。「かからない」ことと同時に、「かかったときに重症になりにくくする」という視点も大切なのです。

「じゃあ、ワクチンを2回打ったほうがいい?」

実は、年齢によって考え方が違います。日本では、13歳未満の方は基本的に2回接種です。一方、13歳以上では、健康な成人や基礎疾患のある方について、1回接種でも2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるという研究結果があります。そのため、厚生労働省は、13歳以上について定期接種では1回接種としています。

年齢だけでなく、持病や免疫の状態などによって判断が変わる場合もありますので、気になる方はご相談ください。

「インフルエンザワクチンは安全ですか?」

ワクチンというと、「副反応が心配」という方もいらっしゃると思います。インフルエンザワクチンで比較的多くみられるのは、

  • 注射したところの赤み  • 腫れ  • 痛みなどです。

厚生労働省によると、こうした局所の反応は10~20%程度にみられますが、通常は2~3日で自然に治まります。また、発熱、頭痛、寒気、だるさなどの全身症状が5~10%程度にみられることがありますが、こちらも通常は2~3日で治まります。一方で、非常にまれですが、アナフィラキシーなどの重い副反応が起こることがあります。そのため、接種後しばらくは医療機関で様子をみていただき、帰宅後に気になる症状があれば医療機関にご相談ください。

今年は9月の段階ですでにインフルエンザの患者さんが増えています。ただし、インフルエンザの流行は、地域によっても大きく変わります。

「今年は早いから、もうワクチンは間に合わない」

「ワクチンを打ってもかかるから、必要ない」

「大人も念のため2回打っておこう」

このように、情報の一部分だけで判断するのではなく、年齢や健康状態、その時点での流行状況を含めて考えることが大切です。

また感染予防のためにはワクチンだけでなく、

  • 手洗い
  • 咳やくしゃみの際のエチケット
  • 人混みでの感染対策
  • 十分な休養
  • 体調が悪いときには無理をしない

といった日頃の対策も大切です。

のだ内科クリニック
院長 野田 昌男