第105会日本消化器内視鏡学会参加報告
サルプレップ®という新しい腸管洗浄液が処方できるようになりました。本剤480mlを飲用したあと水またはお茶を1000ml飲用、以降その半量投与を繰り返すというものです。高度腎機能低下例(CCr<30ml/分)では使えないようですが、洗浄効果は良好で有意差をもってADR(adenoma detection rate)を向上させることが報告されていました。ADRとは大腸カメラによる観察精度の指標で、通常はADR>25%、便Hb陽性例では>50%が望まれるというものですが、当院でもそんな感じです。サルプレップ®をtwo step法で用いれば、午前中の大腸カメラに有用であり、米国では70%のシェアを占めているとのことでした。
潰瘍性大腸炎に対するJAK阻害剤の有用性が報告されています。リウマチ患者さんへ投与成績から若干の悪性腫瘍、心血管性イベント、帯状疱疹の副作用が報告されていますが、ステロイドや免疫抑制剤に比べれば認容されるものではないでしょうか。トファチニブ、ウパダシチニブ、フィルゴチニブがゼルヤンツ®、リンヴォック®、ジセレカ®という商品名で使用できるようになっていますが、飲み薬であること最大の利点となっています。後者ほど効果はマイルドな分、副作用も少ない印象、またJAK阻害剤は中止しても再開時にはまた効果があるとのことで、当院でも何人かの患者さんに服用をお勧めしているところです。